不動産投資のこんな対策
日本的な系列別の配送体制からベンダーを集約し同じトラックに同業他社の製品を混載して配送する共同配送体制は、Sが日本に根付かせたものだが、大手メーカーや系列卸からは反発を食らうことがあった。
1979年、Sが扱っていた牛乳は全国農業協同組合連合会(全農)、雪印乳業、明治乳業などの製品で、それぞれのトラックが「S」の店舗に1、2ケース置いていった。
S本部は品質が似通って管理方法も同じなのだから、共同配送をすれば効率的になるのは間違いないと考えた。
ところがメーカー側は同業他社の製品を運ぶことに強い難色を示した。
「ライバルメーカーの製品まで品質の保証はできない」当時の牛乳流通は工場から牛乳専売店までは温度管理のできたトラックで配送したが、そこからは真夏でも常温で各家庭に配達することがあった。
メーカー側の言い分もわかったが、必ずしも末端まで品質管理が行き渡っているとは言えなかった。
Iらは牛乳メーカーを説得し首都圏に4つの配送センターを設けてもらい、翌年7月から冷蔵車を使って共同配送を始めた。
開始から半年で各社の配送コストが3分の1になり、店舗売上高も上昇し、各地区へ牛乳の共同配送が広がることになった。
「S」では他の小売店と同じように、牛乳が売れ残った場合にはメーカーに返品していたが、返品なしに踏み切ることを決めた。
ところが今度は店側か「売れ残りの処分をしなければならず、店のロスが発生する」と反発した。
S本部は、返品が自由だと発注業務も大ざっぱになり、仕事への真剣昧に欠けると考えたからだった。
実際、返品なしにしたところ店側は発注に真剣に取り組み、売上高は倍増した。
当時、ビールも常温のトラックで各店舗に配送していた。
これだと店の冷蔵ケースで6時間ほどかけてビールを冷やす必要があった。
しっかりと冷えないうちにビールが売れてしまうこともあり、「Sで買うビールは生ぬるい」という苦情もあった。
このため共同配送で使っていた冷蔵トラックにビールを積み配送した時代もあった。
また、「S」の店舗では写真のDPE(現像、焼き付け、引伸ばし)を受け付けていたが、DPE業者の車で各店舗を回るのは非効率だと考え、日配商品の冷蔵車の助手席に箱を置き、フィルムやプリントした写真を積んだ。
様々な試行錯誤によって一種の混載の原型がこのころできあがった。
1980年には1店舗1日あたりのトラックの配送台数は304台となり、創業当時から半減した。
牛乳の共同配送やベンダーの集約、混載などによって配送効率は飛躍的に高まった。
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